🇯🇵 Japanese · A2–B1 · Chapter 1 of 18

第一章 無鉄砲

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第一章 無鉄砲

おれは生まれたときから無鉄砲だ。だから、よく損をする。

小学校のころの話だ。おれは学校の二階の窓から、外を見ていた。下から、友だちが大きな声で言った。「弱虫!そこから飛べないだろう。」だから、おれは飛んだ。そして、腰をひどく打った。一週間、歩けなかった。

父はおれの顔を見て、こう言った。「二階から飛んで、腰を打つばかがいるか。」おれはすぐ答えた。「今度は、腰を打たないで飛ぶ。」

また、ある日、親せきが西洋のナイフをくれた。きれいな刃が、日の光できらきら光った。おれは友だちにナイフを見せた。

一人が笑って言った。「光るけど、切れないだろう。」「なんでも切れるぞ。」「じゃあ、自分の指を切ってみろ。」

おれは右手の親指を切った。血がたくさん出た。その傷は今も親指に残っている。

父はおれを全然かわいがらなかった。母は兄がいちばん好きだった。兄は色が白くて、おとなしかった。

父はいつもおれに言った。「おまえはろくなものにならない。」

でも、家に一人だけ、おれの味方がいた。年をとった女中の清だ。清はいつもこう言った。「坊っちゃんは、まっすぐで、いい性格ですよ。」おれには、意味がまったくわからなかった。

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